6/21/2007
チクングニヤ熱について
ヤブ蚊によって媒介する感染症らしいのですが、
日本には、やぶ蚊がいるので気になったレポートです。
2006年のチクングニヤ熱感染者は200万人に達していて、
今後も拡大傾向が続くと考えられているそうなんです。
この病気の本体はRNAウイルスのチクングニヤウイルスによる感染症で、
同ウイルスはトガウイルス科アルファウイルス属の一員。
媒介動物は主にネッタイシマカ、続いてヒトスジシマカで、
同ウイルスの感染者をこれらの蚊が吸血し、
その蚊が他の人の血を吸血することで感染。
即ち、ヒト -> 蚊 -> ヒト -> 以下繰り返しで広がっていくそうです。
チクングニヤ熱は高熱と関節痛を特徴とする急性疾患で、
一般に結膜炎と皮疹を伴うそうですよ。
関節痛は急性期から慢性期にかけての主要な症状で、
数週間から数か月継続することがあるらしいのです。
部位としては足関節と手関節が最も多く、
手首の激しい圧痛が診断上の重要な特徴だそうです。
特効的な治療方法はなく、ワクチンも開発されていないため、
流行地域に行かない、また蚊に吸血されないようにする以外に予防方法もないそうです。
詳しい疾患概念を日本語で読むならまずは日本の国立感染症研究所で。
http://www.nih.go.jp/vir1/NVL/Aiphavirus/Chikungunyahtml.htm
情報収集力、活動能力なら米国のCDC。潜伏期間などの具体的な記載があります。
http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/Chikungunya/chikvfact.htm
両者で言っていることが微妙にずれているところが興味深いんです。
国立感染症研究所ではレユニオン島で死者数を具体的に上げているのですが、
CDCは「科学文献上は重篤な出血傾向のような、致死的な症候は呈さない」と
言っています。
ちなみにレユニオン島の2006年2月までの流行では、
人口77万人のうち発症率は34%、血清学的有病率は35%、237人の死亡で、
致死率はおよそ1/1,000くらいになるらしいのです。
またチクングニヤ熱はデング熱と急性期の症状がよく似通っているため、
誤診ないし混同されている可能性があるそうです。
媒介動物のうち、ネッタイシマカは越冬温度に摂氏10度以上が必要で、
日本本土での観察例はないようです。
対してヒトスジシマカはそこらで良く出くわす「ヤブ蚊」なので、
日本に住んでいるのであれば警戒すべきはこちらの方かも。
http://mushinavi.com/navi-insect/data-ka_hitosujisima.htm
研究者は、チクングニヤ熱がヒトスジシマカの生息する先進国に入ってくるのは
単に時間の問題だと捉えているらしいのです。
蚊に刺されるのも命がけ?
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